毎日数多くのお客様の頭皮に触れ、何年にもわたってその髪の変化を見守り続けている美容師の視点から言わせていただくと、頭頂部の薄毛が見事に改善してフサフサに戻っていくお客様と、残念ながら坂道を転がり落ちるように薄くなっていくお客様には、頭皮の状態において明確な違いが見て取れます。復活する頭皮の最大の特徴は「柔らかさと血色」にあり、指で押すと適度な弾力があって動き、色は青白く透き通っているのが健康な状態ですが、これは血流がスムーズで毛根に十分な酸素と栄養が行き渡っている証拠です。改善していくお客様は、以前はカチカチに硬く赤っぽく鬱血していた頭皮が、ある時期を境にふっくらと柔らかくなり、それに呼応するように髪の根元の立ち上がりが強くなっていくのを私たちは指先から敏感に感じ取ります。逆に治らない、あるいは進行してしまうダメな頭皮は、岩のように硬く突っ張っていて指が全く入らないか、あるいは過剰な皮脂でベタつき炎症を起こして赤くなっているケースがほとんどで、このような土壌ではいくら高価な育毛剤を使っても効果は期待できません。また、復活するお客様の共通点は「美容師を味方につけている」ことであり、薄毛の悩みを正直に打ち明けてくれるため、私たちもカットの技術で薄毛を目立たなくさせながら治療に専念できる期間を作ったり、頭皮への負担が少ないカラー剤を選んだり、正しいシャンプーやマッサージの方法を伝授したりと、二人三脚で改善への道を歩むことができます。しかし、隠そうとして不自然な髪型を要望したり、整髪料でガチガチに固めて頭皮を痛めつけたりする人は、結果として自分の首を絞めることになりがちです。頭皮は嘘をつきません。日々のケアや生活習慣、そして治療の効果は全て頭皮の色や硬さに現れるものであり、私たち美容師はその微細なサインを読み取るプロフェッショナルですから、恥ずかしがらずに相談していただき、一緒に「治る頭皮」を育てていくパートナーとして活用していただくことが、理想のヘアスタイルを取り戻すための賢い戦略なのです。
美容師が見た復活する頭皮とダメな頭皮