大学受験は、高校生活における最大の試練の一つです。終わりの見えない勉強、模試の結果に一喜一憂する毎日、そして将来への不安。こうした強烈なストレスが、体に様々な変調をきたすことはよく知られていますが、その一つに「抜け毛の増加」や「薄毛」があります。実際に、受験期に髪の悩みを抱える高校生は少なくありません。ストレスを感じると、私たちの体では自律神経のうち交感神経が優位になります。すると血管が収縮し、全身の血流が悪化します。特に頭皮の毛細血管は非常に細いため、この影響を受けやすく、血行不良に陥りがちです。その結果、髪の成長に必要な栄養や酸素が毛根まで届きにくくなり、髪が細くなったり、成長が途中で止まって抜け落ちてしまったりするのです。これが、ストレスによる薄毛のメカニズムです。しかし、受験生にとってストレスをゼロにすることは不可能です。大切なのは、ストレスと上手に付き合い、溜め込みすぎないようにすることです。そして、薄毛の悩み自体が新たなストレス源となって悪循環に陥るのを防ぐことです。まず、薄毛を気にしすぎない「心の持ち方」を意識しましょう。「今は大事な時期だから、体に負担がかかるのは仕方ない。受験が終わればきっと元に戻る」と、ある意味で開き直ることも必要です。鏡で何度も頭皮をチェックしたり、枕の抜け毛を数えたりする行為は、不安を増幅させるだけなのでやめましょう。そして、短い時間でも良いので、意識的にリフレッシュする時間を作ることが重要です。例えば、一日十五分だけ好きな音楽を聴く、寝る前に軽いストレッチをする、週末に三十分だけ友人と電話で話すなど、勉強から完全に離れる時間を作るのです。こうしたオンとオフの切り替えが、自律神経のバランスを整える助けになります。また、散歩や軽いジョギングなどの有酸素運動は、血行を促進し、ストレスホルモンを減少させる効果が期待できます。受験という大きな目標に向かう中で、自分の心と体をいたわる視点を忘れないでください。それが結果的に、髪の健康を守り、受験を乗り切る力にもなるはずです。