更年期を迎え、髪のボリュームダウンや分け目の広がりにお悩みのお客様から、サロンでご相談を受ける機会が本当に増えました。治療やセルフケアで髪質改善を目指すことはもちろん大切ですが、それと同時に、今ある髪を最大限に活かし、薄毛を目立たなくさせる「髪型」の工夫も、日々の気持ちを明るく保つためには非常に重要です。少しカットの仕方を変えたり、スタイリングを工夫したりするだけで、見た目の印象は驚くほど変わります。まず、薄毛をカバーするための基本は「トップにボリュームを出すこと」です。髪が長すぎると、重みでトップがぺたんこになり、かえって分け目が目立ってしまいます。おすすめなのは、肩につかないくらいのショートボブや、レイヤー(段)を効果的に入れたミディアムヘアです。特に、トップの部分にレイヤーを入れることで、髪が持ち上がりやすくなり、自然なふんわり感を出すことができます。前髪を作るのも有効な手段です。生え際の後退が気になる場合、少し厚めの前髪を作ることでカバーできますし、前髪があることで視線が顔の中心に集まり、頭頂部への注目を逸らす効果も期待できます。分け目に関しては、いつも同じ場所で分けていると、その部分の地肌が目立ちやすくなるだけでなく、頭皮への負担もかかります。分け目をくっきりとつけず、ドライヤーで髪を乾かす際に、左右からジグザグに乾かして根本を立ち上げるようにすると、自然に分け目がぼやけ、ふんわりとした仕上がりになります。スタイリング剤をうまく使うこともポイントです。根本を立ち上げるタイプのムースや、軽い質感のワックスを少量、髪の内側から揉み込むようにつけると、ボリュームが持続しやすくなります。逆に、オイルや重いクリームは、髪をぺたっとさせてしまう可能性があるので、毛先中心につけるようにしましょう。部分的に薄さが気になる場合には、ヘアファンデーションやカラースプレーといった、地肌を自然に色付けしてカバーするアイテムを使うのも一つの手です。髪型は、あなたの気分を上げるための強力なツールです。信頼できる美容師に相談し、自分に似合う「元気に見える髪型」を一緒に見つけてみませんか。