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育毛シャンプーの成分表を解読するプロの視点
育毛シャンプーのボトル裏にびっしりと書かれた成分表示。カタカナの羅列を見て、思わず読むのを諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、この成分表示こそが、そのシャンプーの性格を物語る最も重要な情報源なのです。少しの知識を持つだけで、広告の謳い文句に惑わされず、自分に合ったシャンプーを主体的に選ぶことができるようになります。まず注目すべきは、成分表示の最初に記載されている「洗浄成分」です。なぜなら、シャンプーの成分のほとんどは、水とこの洗浄成分で構成されているからです。洗浄成分は、大きく「高級アルコール系」「石けん系」「アミノ酸系」などに分けられます。ドラッグストアで安価に手に入るシャンプーの多くは、「ラウレス硫酸Na」や「ラウリル硫酸Na」に代表される「高級アルコール系」です。これらは泡立ちが良く、洗浄力が高いのが特徴ですが、その分、脱脂力も強く、頭皮への刺激となる可能性があります。次に「石けん系」。カリ石ケン素地などがこれにあたります。さっぱりとした洗い上がりが特徴ですが、アルカリ性のため、髪がきしみやすいという側面もあります。「育毛シャンプー」と銘打たれた製品の多くが採用しているのが、「アミノ酸系」の洗浄成分です。「ココイルグルタミン酸Na」や「ラウロイルメチルアラニンNa」といった、少し長くて覚えにくい名前が目印です。これらは、人間の皮膚や髪と同じタンパク質から作られており、弱酸性で頭皮への刺激が非常にマイルドなのが最大のメリットです。必要な潤いを残しながら、優しく汚れを落とすため、乾燥肌や敏感肌の人に特におすすめです。洗浄成分の次に、有効成分や保湿成分が記載されています。炎症を抑える「グリチルリチン酸2K」、血行を促進する「センブリエキス」、保湿の「セラミド」や「ヒアルロン酸」など、自分の悩みに合った成分が配合されているかを確認しましょう。成分表示は、シャンプーからのラブレターのようなものです。そのメッセージを正しく読み解く力が、あなたの頭皮ケアを次のステージへと導いてくれるはずです。